(10) 最終日Can Gioからホーチミン市1区 59.59km 14時間10分

カンザーまでのウォーキングは昨年7月にトライして失敗した経験があります。その時はホーチミン市内からカンザーに向かって歩いたのですが、日没後に道路の照明が全くなく、大量のブヨや蚊に襲われたためでした。今回は逆方向に歩くので、日没後であってもホーチミン市内であれば大丈夫です。

徘徊する野良犬

午前4時には起床し、最終日に備えてパッキングを行いましたが、テントの周囲を野良犬が徘徊していることがわかったので、夜明けを待って行動することにしました。
今日の移動距離は約60kmと通常の2日分の移動距離なので、なるべく陽が昇る前に歩いておきたいのですが、日中、なるべくゆっくりと休みをとりながら時間をかけて歩くことに方針転換しました。

テント泊の場合、スマホの充電ができないことが問題です。私はモバイルバッテリーを2本持っていましたが、1本は前日に使い切ってしまい、もう1本も60kmを移動するには不十分です。
カンザーの入り口に立つカフェで30分ほど時間をとり、スマホとモバイルバッテリーの充電を行いました。

延々とつづく日陰のない直線道路

カンザーの街を離れるとほぼ30kmに渡って商店や民家はなく、延々と日陰のない直線道路が続きます。日中10時〜午後2時までは全くウォーキングには適さない天候で、立っているだけで直射日光と灼熱に体力が奪われてしまいます。今回、用心をして水は3リットルを運びましたが、それでも途中でギリギリの状況でした。

通常のウォーキングでは1kmあたり11分-12分で歩くのですが、この日は13分から14分もかかってしまい、なかなか距離を稼ぐことができません。

本当は5km、10km、20kmと規則正しく休憩を入れた方が良いのですが、あまりの暑さに日陰を見つけたら休むという状況でした。

30km地点で休憩とフェリー

お店もないので、この日は朝からビスケットと水だけです。
ちょうど30km歩いた時点でカフェを見つけ、カフェスダと栄養ドリンク、水2本を調達して一息入れました。

そこからがさらに長く、Binh Khanhフェリー乗り場についたのは既に午後7時に迫っていました。本来であれば午後5時ごろには着いておきたかったので、約2時間の遅れです。

いよいよホーチミン市内へ

フェリーを降りてから、ニャーベー、7区、4区、1区と歩きますが、この経路は縦に長く約16kmあります。以前、2度ほどニャーベーまでウォーキングしたことがありますが、この16kmを歩くだけでも結構しんどいものです。
フェリーを降りたのが午後7時過ぎ、普通に歩いて3時間半ですが、もうこの時点でほとんど体力が残っていませんでした。気力で前に進むしかありません。
またスマホの電池残量も数%しか残っておらず、まずはニャーベーのカフェで休憩がてら充電をすることにしました。
歩行速度も1kmあたり15分前後と大変遅いものになってしまいましたが、午後10時前後に7区を通過し、午後11時半なんとか日が変わる前にファングーラオに到着しました。

旅を終えて

100kmマラソンのように感動のフィナーレなどというものはありませんでしたが、こんなに疲れたのも何年かぶりでした。
現在の私の体力では、荷を背負って歩けるのは60kmが限界だと思います。そういう意味では限界がわかって良かったと思います。
特に感動も達成感もなく、ただ淡々と終わりを迎えたというだけですが、自宅に戻ってソファーに座った途端に笑いが起こってきました。よく坂道を長時間降った時に膝が笑うと言いますが、あれが全身に起こった感じです。

今回は日程的にはあまり余裕がなく、さらに途中で一度リタイアをしてホーチミンに戻ったりしているため、最後は本当にギリギリのウォーキングとなってしまいましたが、経験を積んで色々とわかったこともありました。次回はもう少し賢く、余裕を持って臨みたいと思います。

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