目次
ニューラル翻訳とは
Googleが、Google Neural Machine Translation(Googleニューラル機械翻訳:GNMT)システムを発表した。これによって「Google Translate」サービスによる翻訳の誤りが55~85%低減されるという。
ついにGoogleが画像認識、音声認識に続いて翻訳のニューラル機械翻訳に踏み切りました。簡単に言えば、これまで単語ベースで翻訳をしていたものを文全体を一つの翻訳単位として扱うことにより翻訳精度を高めるというものです。これによりGoogle翻訳を使った日本語の翻訳精度が大幅にアップしています。
新しいGoogle翻訳を試してみた
よろしくお願いします。
Nice to meet you.
たぶんこれまではPlease do me a favorみたいな翻訳になっていたはずです。よろしくお願いしますが、英語で言うところのNice to meet you. つまり「こんにちは」と言うことだと認識しています。
お先に失礼します。
Pardon me, I have to go now.
ちょっとニュアンスが違う気もしますが、英語が間違っているわけではありません。日本語のお先に失礼しますには、まだ残って仕事をしている上司や同僚に対する心配りが含まれているので、have to ではなくてI’m going home. Thank you for today位の感じが良いような気もします。
お疲れ様でした
Thank you for your hard work
これは難しいですよね。Thank you for your hard work は明らかに上司が部下に対して言う言葉で、決して部下が上司に対して使う言葉ではありません。しかし日本語では主に部下が上司に対して使う言葉ですから、See you tomorrow位に意訳しないと伝わらないような気がします。
と、ここまでGoogle翻訳の粗探しをしてしまいましたが
民法第709条
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。Section 709 of the Civil Code
A person who infringes upon the rights of others or the benefits protected by law by willful or negligent shall be responsible for compensating damages caused thereby.
これはかなり正確なんじゃないでしょうか?こう言う法律などは機械翻訳に向いているのかもしれません。それでは文学作品ではどうでしょう?夏目漱石のこころの冒頭です。
私その人を常に先生と呼んでいた。だからここでもただ先生と書くだけで本名は打ち明けない。これは世間を憚かる遠慮というよりも、その方が私にとって自然だからである。私はその人の記憶を呼び起すごとに、すぐ「先生」といいたくなる。筆を執っても心持は同じ事である。よそよそしい頭文字などはとても使う気にならない。
I have always called that person a teacher. So here too I can not just tell my real name just by writing a teacher. This is because it is natural for me, rather than a casual refuge. Every time I recall that person’s memory, I immediately feel like “teacher”. Even if you take a brush, your mind is the same. I do not mind bothering for obsolete initials etc.
すごいですね。これなら問題ないのではないでしょうか?文全体を翻訳対象としていると言うことがGoogle翻訳の翻訳文にカーソルをロールオーバーするとわかります。これまでは単語単位で翻訳していました。
英語から日本語ではどうなのか?
これは今日のNY Timesの記事です
Who Will Be in Trump’s Cabinet? Let the Guessing Begin
WASHINGTON — President-elect Donald J. Trump’s administration is being assembled behind the scenes. But like much else in the nation’s capital, little stays secret for long.
The list of names being mentioned as possibilities for crucial posts in Mr. Trump’s cabinet is growing by the hour, giving official Washington what it craves most: a never-ending parlor game as speculation grows about who might actually get the nod.
A big revelation may come soon, according to Mr. Trump himself, who took to Twitter on Friday morning with some news. “Busy day planned in New York,” the president-elect said. “Will soon be making some very important decisions on the people who will be running our government.”
One thing is clear already: Those helping Mr. Trump make the decisions are the members of his campaign’s inner circle. At Trump Tower on Friday morning, the president-elect’s closest aides arrived, one by one, waving to journalists as they entered elevators to Mr. Trump’s offices.
Those included David Bossie, the deputy campaign manager; Steve Bannon, the campaign chief; and Hope Hicks, the campaign spokeswoman. Rudolph W. Giuliani, the former mayor of New York and a staunch Trump supporter, arrived just before 10 a.m., a few minutes after Corey Lewandowski, Mr. Trump’s former campaign manager. Brad Parscale, the campaign’s digital director, also headed up to the top floors.
トランプの内閣には誰がいますか?推測を始める
ワシントン – ドナルド・J・トランプ政権下の大統領選挙当時の政権は舞台裏で組み立てられている。しかし、国の首都では他の多くのように、少しは秘密を長くとどめています。
トランプ氏の内閣で重要な記事の可能性として挙げられている名前のリストは、ワシントン州政府に最も欲しいものを与えてくれる時間を増やしています。
金曜日の朝、あるニュースでTwitterに連れて行ったTrump氏自身によると、すぐに大きな啓示が来るかもしれない。大統領当選者は、「ニューヨークでの忙しい1日の計画」と述べた。 「まもなく、政府を運営する国民に重要な決定を下すことになるだろう」
一つのことはすでに明らかです:トランプ氏を助ける者は、その決定を彼のキャンペーンの内方サークルのメンバーです。金曜日の朝のトランプタワーでは、大統領当選者の最も近い補佐官が、ジャーナリストに手紙を送って、トランプ氏の事務所へのエレベーターに入った。
含まれているのはDavid Bossie、代理キャンペーンマネージャー。スティーブ・バノン、キャンペーンチーフ;キャンペーン広報担当者、ホープヒックス氏。 Rudolph W. Giuliani(元ニューヨーク市長)とTrumpサポーターは、午前10時ごろ、Corey Lewandowski(トランプの前のキャンペーンマネージャー)の数分後に到着しました。キャンペーンのデジタルディレクターであるBrad Parscaleもトップフロアに向かった。
頑張ってるなーと言う感じですが、まだ少しぎこちなさが残っています。タイトルの「トランプの内閣には誰がいますか?推測を始める」は「トランプの内閣には誰が就任するのか?推測が始まった」の方が自然です。Who will beのbeをいると訳していますが、ここはこれから起きることですから「なる」とか「就任する」と訳した方がわかりやすい日本語です。
この「ぎこちなさ」はいずれ無くなる
画像認識に関しては人工知能のレベルはすでに人間を超えたと言われています。特にセキュリティ分野での認識技術は驚くほどの進化を遂げています。機械翻訳に関してはこれまで正直使い物にならないレベルでしたが、ようやく使い物になる技術が登場しました。まだぎこちなさは残りますが、正確性やわかりやすさといった点で大きな飛躍を迎えたと思います。このぎこちなさはそう遠くない時期になくなっていくはずです。
One Response
英語から日本語への翻訳精度はどうやらまだニューラル翻訳が適用されていなくて、この先数ヶ月で英日にもニューラル翻訳が適用されるとのことです。