
9月5日と7日にベトナムでNHK交響楽団の公演があります。クラシックコンサートはいきなり行って聴くよりも、ある程度曲目を聴き込んで予習をして行った方が、ライブでの感動が全然違います。今回は9月5日(ホーチミンオペラ座)9月7日(ハノイオペラ座)で演奏される演目について紹介します。
ドイツの指揮者Mateusz Molędaによるチャイコフスキーのセレナーデ。小編成のオーケストラでシンプルな演奏です。誰もが最初を聴けば聴いたことがあるはずです。 Mateusz Molęda
テレビCMで有名になった曲ですが、何と言っても最初の第1音でどのような音を出すかが重要です。最近の小澤征爾の指揮ですがパッションは全く衰えていません。
昨日に引き続き、チャイコフスキーのバイオリン協奏曲です。イツァークパールマンによる演奏です。何度も聴いている演奏ですが、次はこう来るのだろうなという期待を裏切られる演奏、さらに期待以上の演奏です。最初から最後まで緊張感あふれる演奏で感動しました。 指揮はユージン・オーマンディ、フィラデルフィアオーケストラ。オーケストラが抑制が効いた保守的なイメージを受けるのに対し、パールマンの演奏の独創性が際立っているように思います。
庄司紗矢香のチャイコフスキーです。五嶋みどりも良いですが、庄司紗矢香のチャイコフスキーもフレッシュで美しいですね。オケも素晴らしいです。
マルタ・アルゲリッチとシャルル・デュトワ夫婦の1975年の共演。若いです。この後、二人は日本公演を期に離婚しますから、かなりギクシャクしていた頃なのではないかと推察します。 アルゲリッチのピアノは火を噴くような演奏で、まるで打楽器のようにピアノを扱います。どうみても妻の方が勝っています。 ふたりとも日本と縁が深く、デュトワはNHK交響楽団の常任指揮者を努めましたし、アルゲリッチは別府アルゲリッチ音楽祭のため、毎年来日しています。 アルゲリッチのチャイコフスキーピアノ協奏曲1番はキリル=コンドラシンとのすごい演奏がありますが、映像版はこちらを紹介させていただきました。 Charles Dutoit
テルミカノフ・レニングラードオーケストラのチャイコフスキー「1812」。チャイコフスキー生誕150周年記念での演奏会のようです。 なんといっても世界最大の楽器「大砲」がハイライト。本物の大砲です。 ソ連でなければ実現できない重厚な1812でした。 こちらはドラティの1812。かつてオーディオ評論家の長岡鉄男氏がスピーカーを壊す録音だと絶賛しました。
こちらもDVDでよく観たヴァルトビューネでの小澤征爾です。屋外コンサートですしリラックスした雰囲気で観客のノリも良く、気軽に楽しめる演奏です。 小澤征爾ももう80歳。ここ数年は健康問題で演奏が中止になったりすることもありましたが、いつまでも元気でいて欲しいものです。
ある演奏家のある曲を好きになると何度も繰り返して聴くことがあります。 チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲第1番の場合は、五嶋みどり+ベルリン・フィルのCDがそれでした。 こちらは2002年のNHK交響楽団との共演です。 久しぶりに聴いた五嶋みどりのチャイコフスキーですが、五嶋みどりの演奏であることに違いはありません。進化しながら深化した演奏です。 自分にとっては聴き古された曲なのに改めて新鮮で感動的です。 第3楽章
マリインスキー・ゲルギエフによるくるみ割り人形。もともとこの劇場での初演のために書かれたチャイコフスキーの名曲です。 クリスマスに聴くクラシックといえばやはりチャイコフスキーがお勧めです。常夏のホーチミンではどうも雰囲気が出ないのですが、せめてこの時期くらいは聴きたい一曲です。バレエやクラシックに縁遠い人でも通しで聞けばああ知っているという曲が満載です。 ゲルギエフのロシア=スラブ的な指揮も素晴らしいのですが、削ぎ落とされた肉体と、精神的にもハードな競争社会に生きるダンサーたちにストイックさを感じて感動しております。 マリインスキーは死ぬまでに一度ナマで見たいです。