アーノンクール

【YouTubeクラシック】鳥肌立つほど感動的!圧倒的な疾走感!アーノンクールのモーツアルト後期交響曲集。(HD) Mozart: Late symphonies | Nikolaus Harnoncourt & Concentus Musicus Wien – YouTube

ハイスピードな指揮と演奏 高級オーディオの世界でハイスピードなスピーカーなどと称されることがあります。スピーカーが高速なんて変な言い方ですが、これは無音状態から音が立ち上がって耳に到達するまでのスピードが速いことを言っていて、このスピードが速ければ速いほど微妙な音のニュアンスや空気感が聴者に伝わるので良いスピーカーだと言われるのです。 今回ご紹介するアーノンクールの後期モーツアルト交響曲集のライブはまさにハイスピードな指揮と演奏が実現されていて、無音状態から音が立ち上がるまでのスピード、盛り上がりから無音に至る減衰スピードともに圧倒的な疾走感で聴く者を飽きさせません。 古楽だから実現できた演奏 画面をみていただければわかるようにこの演奏は古楽によるもので、作曲家=モーツアルトが生きていた頃の楽器やオーケストラ編成を用いて演奏されています。例えば現代のフルートは全て金属製ですが、この演奏では木製のフルートが使われています。今年初頭に惜しくも亡くなったニコラウス・アーノンクールはまさに古楽を始めた張本人で、この演奏は2014年ですから亡くなる1年少々前のものです。 近代オーケーストラは劇場の大型化に伴って大編成となり、ビブラートを効かせて広い空間でも余韻が残るような演奏となっていきましたが、モーツアルトが生きていた時代は劇場、オーケストラ共にスケールが小さく、まさにこの映像で見られたような演奏が行われていたに違いありません。 大切なのはこの演奏が単なる懐古趣味ではなく、モーツアルトの音楽が持っている世界を忠実に再現し、その感動を改めて掘り起こそうとしている試みであることです。当時は現在のロックコンサートのように熱狂的な演奏であったに違いありません。 自然現象の中から永遠の法則を見つける 何と言っても感動的なのがこの演奏が単なる楽器の演奏ではないということです。私はこの2時間弱に渡る演奏の途中、しばしば様々な自然現象をイメージしました。黒い土の中から新芽が出てくる瞬間とか、深い森の中の小川で小魚が俊敏な動きを見せる情景とか、最後のジュピターでは太陽系の惑星が大回転を行なっているシーンなど、演奏を通じて様々な自然現象が思い浮かべられました。 もちろんこれは私の勝手なイメージであり、妄想に過ぎないのですが、モーツアルトの凄さはこれらの曲が全て「商業音楽」つまり誰かに依頼されて納期付きで作った曲であるにもかかわらず、どのフレーズを切っても普遍性や神性が感じられることです。そしてアーノンクールはその普遍性のようなものをしっかりと手づかみで私たちの前に見せてくれるのです。 ぜひHD映像を高音質環境で このYouTube映像はHD画像ですので、ぜひHDが見れる環境で見て欲しいと思います。 そして最後に言いたいのは、良いコンサートは良い観客が作るということ。映像途中に映る観客は深い感動に包まれているにもかかわらず抑制の効いた態度でアーノンクールとモーツアルトを称えているように見えます。何度も何度もフレーズが口に出てくるくらい聴き込んだ聴衆だけが共有できる素晴らしいひと時です。  

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またひとり巨匠がなくなりました。合掌。:アーノンクールさん死去 世界的指揮者 86歳:朝日新聞デジタル

 世界的指揮者で、モーツァルトやバッハの作品への斬新な解釈で知られるニコラウス・アーノンクールさんが5日、死去した。86歳だった。AFP通信などが報じた。 現代のクラシック音楽演奏に大きな影響を与えた… 情報源: アーノンクールさん死去 世界的指揮者 86歳:朝日新聞デジタル またひとり巨匠が亡くなりました。昨年末に引退表明をしたばかりでしたが、急な訃報に驚いています。無くなる直前まで音楽活動を続けることができたのは幸せな人生だったのではないでしょうか。

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[今日コレ聴いた] 引退が惜しい、アーノンクールのモーツァルト。いまモーツァルトの交響曲を聴くならこれがオススメ: (HD) Mozart: Late symphonies | Nikolaus Harnoncourt & Concentus Musicus Wien – YouTube

先日引退を表明したアーノンクールによるモーツァルト後期交響曲集です。 クラシック音楽に詳しくない方のためにあえて説明すると、この演奏は古楽器による演奏です。長らくオーケストラはホールの巨大化、観客の多人数化に伴い現代化、巨大化してきましたが、1950年代後半ごろからアーノンクールらによって、モーツァルトやベートーベン当時の楽器を使って当時の編成で指揮、演奏するスタイルが広がってきました。例えばフルートは現代オーケストラのような金属ではなく、木製のフルートです。現在では古楽はクラシックでも人気のある分野です。映像を見ても現代クラシックとは異なる楽器を使用していることがわかると思います。 古楽といっても古臭いイメージではありません。丹念に当時の歴史的背景や作曲家の研究を進める中で、作曲者の意図になるべく近い形で演奏しようというものです。 一つひとつの楽器の音が生き生きとして素晴らしいハーモニーです。特に低音部分の響きは鳥肌もの。 オーディオでいうならJBLのフルセットスピーカーではなく、小粒のハイスピードスピーカーで聴くような感じです。 ジュピターは第1楽章などこんなにゆっくりした演奏で良いのかと最初は思いましたが、とにかく出てくる音がハイスピードでシャープ。パワフルな第4楽章へ向かって一直線に進んでいきます。いま最も最先端のクラシック音楽がここにあります。

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えー!知らなかった。アーノンクールが昨年末に引退したなんて。:Nikolaus Harnoncourt’s Retirement from the Stage

ニコラス・アーノンクールが昨年12月5日に引退を表明しました。 86歳の誕生日の前日。病気のため指揮を交代したウィーン公演のプログラムに、聴衆への自筆メッセージを挟み込み、今後の演奏活動から退く意向を明らかにした。(朝日新聞) 以下翻訳をしました: 観客の皆さま 私の体力はもはや将来の計画をキャンセルしなければならないほど弱くなってしまいました。これまでの事を思い返すと感慨深いものがあります。会場の皆さまと舞台上の私たちの間には信じがたいほど深い関係が築かれてきました。- 私たちは幸せな開拓者となることができました。これからもその多くは残っていくでしょう。今年のチクルス(連続演奏会)は私の思いの通りに行われますので、これからもご支援を賜りたくお願い申し上げます。 ニコラス・アーノンクール Dear audience, my physical strength requires me to cancel my future plans. Great ideas have arisen: An unbelievably deep relationship has developed between us on the stage and you in the hall — we have become a happy community of pioneers! – Much will remain. This year’s cycle will be carried on in my spirit. Remain faithful to it! Yours Nikolaus Harnoncourt 情報源: Nikolaus Harnoncourt’s Retirement from the Stage 私にとってはアーノンクールの引退はビッグニュースですが、ベトナム在住のためか直近の情報を知らずにいました。妻のアリス・アーノンクールをネットで調べていて偶然知ったのです。 これまでの長い演奏者・指揮者生活に感謝したいと思います。また舞台上で指揮はしなくても、これからも新しい解釈を提供し続けて欲しいと思います。今日、明日はアーノンクールを存分に聴きたいと思います。  

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[今日コレ聴いた] 今日から新年の出社。清々しい気持ちで会社に向かいたい人のためにアーノンクールのバッハ・カンタータ147。Johann Sebastian Bach: Kantata BWV 147 – Nikolaus Harnoncourt (HD 1080p) – YouTube

美しいですね。心が洗われます。 指揮をするアーノンクールの顔も喜びに満ちあふれています。 最初の喇叭が天国からの知らせのように聞こえます。 テレビのニュース番組を消して、朝の30分、バッハを聴くだけで人生が変わります。

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[今日コレ聴いた] 必ずしも幸せな人生ではなかったモーツアルトが自分自身を救済するために作った曲だと勝手に解釈して涙を禁じ得ないレクイエム: ♪NHK音楽祭2006 モーツァルト:レクイエム 二短調 K.626 / ニコラウス・アーノンクール指揮ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス,アルノルト・シェーンベルク合唱団 2006年11月 – YouTube

実はこの映像の演奏会、当日私は現場にいました。前年にアーノンクールのレクイエムが発売されてクラシックには珍しくヒットをしたのですが、満を持して25年ぶりにアーノンクールが来日するということでチケットを買ったのです。前席2列目だったので、アーノンクールが手に取るように近くに見えました。 本当にあっという間の演奏会だったのですが、今こうして映像を見返してみても当日の緊張感や張り詰めた空気が思い返されます。 モーツアルトは35歳の短い人生の中で900曲以上もの数を作曲しています。まさに偉大な芸術は量が質を作るのであって、多作であるにもかかわらず駄作が少ない作曲家です。当時の作曲家はすべてスポンサーからの依頼によるものであり、生活の糧でしかありませんでした。当然、依頼者の希望や気にいるように作曲をするわけで、個人的な感情や好みを織り込む余地は少なかったわけです。それをモーツアルトは作曲家人生30年として年に30曲、2週に1曲以上を多作していたことになります。 膨大なモーツアルトの楽曲の中でレクイエムだけは別格です。ラクリモサで絶筆となった曲ですが、ここには死を目前にしたモーツアルトの嘆きや恐れが率直に反映されているように思います。初めて他人のためではなく自分自身のために作った曲であるように想像するのです。幼い頃から神童ともてはやされながらも決して幸せな人生ではなかったモーツアルトの苦悩が感じられて涙を禁じえません。 演奏に先立つ舞台裏映像でアーノンクールが「朝食に大きなパパイヤを食べてまだ飲み込めない状態で歌うのです。」と言ってます。わかり易い表現ですが、実際にこのように歌うのは難しいでしょう。古楽器を使った演奏ですが、それが現代的な新しさを感じさせてくれる演奏会でもありました。

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