交響曲

【YouTubeクラシック】華麗で荘厳な音を繰り出す変なおじさんの熱狂的な指揮>Mozart Symphony No.41 Kazuo Yamada NHKso 4th mov – YouTube

このYouTubeビデオについてのブログで書くのは2回目なのですが何度見ても感動するのでまた書きます。山田一雄とN響によるモーツアルのジュピター最終章です。 山田一雄は熱狂的な指揮のあまり指揮台から転げ落ちたことがあると聞いていますが、晩年の指揮とはいえ熱のこもった指揮を見ることができます。指揮者というのはとてもハードな職業であるらしくて、1曲指揮をした後は腕の筋肉が内部断裂を起こして腕が上がらなくなると宮本文昭が言っていました。 ぱっと見その辺にいる変なおじさんのような風貌の山田一雄、指揮も本当にこれで指揮になっているのかと思うようなタクトの振りですが出て来る音は全くもって素晴らしい。ジュピターをこれくらい華麗で荘厳な音を出せる人は海外も含めてあまりいません。 生きている間に一度見に行きたかった指揮者です。

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【YouTubeクラシック】鳥肌立つほど感動的!圧倒的な疾走感!アーノンクールのモーツアルト後期交響曲集。(HD) Mozart: Late symphonies | Nikolaus Harnoncourt & Concentus Musicus Wien – YouTube

ハイスピードな指揮と演奏 高級オーディオの世界でハイスピードなスピーカーなどと称されることがあります。スピーカーが高速なんて変な言い方ですが、これは無音状態から音が立ち上がって耳に到達するまでのスピードが速いことを言っていて、このスピードが速ければ速いほど微妙な音のニュアンスや空気感が聴者に伝わるので良いスピーカーだと言われるのです。 今回ご紹介するアーノンクールの後期モーツアルト交響曲集のライブはまさにハイスピードな指揮と演奏が実現されていて、無音状態から音が立ち上がるまでのスピード、盛り上がりから無音に至る減衰スピードともに圧倒的な疾走感で聴く者を飽きさせません。 古楽だから実現できた演奏 画面をみていただければわかるようにこの演奏は古楽によるもので、作曲家=モーツアルトが生きていた頃の楽器やオーケストラ編成を用いて演奏されています。例えば現代のフルートは全て金属製ですが、この演奏では木製のフルートが使われています。今年初頭に惜しくも亡くなったニコラウス・アーノンクールはまさに古楽を始めた張本人で、この演奏は2014年ですから亡くなる1年少々前のものです。 近代オーケーストラは劇場の大型化に伴って大編成となり、ビブラートを効かせて広い空間でも余韻が残るような演奏となっていきましたが、モーツアルトが生きていた時代は劇場、オーケストラ共にスケールが小さく、まさにこの映像で見られたような演奏が行われていたに違いありません。 大切なのはこの演奏が単なる懐古趣味ではなく、モーツアルトの音楽が持っている世界を忠実に再現し、その感動を改めて掘り起こそうとしている試みであることです。当時は現在のロックコンサートのように熱狂的な演奏であったに違いありません。 自然現象の中から永遠の法則を見つける 何と言っても感動的なのがこの演奏が単なる楽器の演奏ではないということです。私はこの2時間弱に渡る演奏の途中、しばしば様々な自然現象をイメージしました。黒い土の中から新芽が出てくる瞬間とか、深い森の中の小川で小魚が俊敏な動きを見せる情景とか、最後のジュピターでは太陽系の惑星が大回転を行なっているシーンなど、演奏を通じて様々な自然現象が思い浮かべられました。 もちろんこれは私の勝手なイメージであり、妄想に過ぎないのですが、モーツアルトの凄さはこれらの曲が全て「商業音楽」つまり誰かに依頼されて納期付きで作った曲であるにもかかわらず、どのフレーズを切っても普遍性や神性が感じられることです。そしてアーノンクールはその普遍性のようなものをしっかりと手づかみで私たちの前に見せてくれるのです。 ぜひHD映像を高音質環境で このYouTube映像はHD画像ですので、ぜひHDが見れる環境で見て欲しいと思います。 そして最後に言いたいのは、良いコンサートは良い観客が作るということ。映像途中に映る観客は深い感動に包まれているにもかかわらず抑制の効いた態度でアーノンクールとモーツアルトを称えているように見えます。何度も何度もフレーズが口に出てくるくらい聴き込んだ聴衆だけが共有できる素晴らしいひと時です。  

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最もオリジナルに近いと考えられるムラヴィンスキーのショスタコ5番:Shostakovich – Symphony No 5 in D minor, Op 47 – Mravinsky – YouTube

ムラヴィンスキーによるショスタコーヴィチ交響曲第5番です。もともとこの曲はムラヴィンスキーによって初演されているので最もオリジナルに近い演奏かと推測されます。 ソビエト当時は演奏をするのも命がけで、重要なコンサートでミスを犯すとシベリア送りになったとか。 またムラヴィンスキーは正確性を要求する指揮者だったとのことです。

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[今日コレ聴いた] 引退が惜しい、アーノンクールのモーツァルト。いまモーツァルトの交響曲を聴くならこれがオススメ: (HD) Mozart: Late symphonies | Nikolaus Harnoncourt & Concentus Musicus Wien – YouTube

先日引退を表明したアーノンクールによるモーツァルト後期交響曲集です。 クラシック音楽に詳しくない方のためにあえて説明すると、この演奏は古楽器による演奏です。長らくオーケストラはホールの巨大化、観客の多人数化に伴い現代化、巨大化してきましたが、1950年代後半ごろからアーノンクールらによって、モーツァルトやベートーベン当時の楽器を使って当時の編成で指揮、演奏するスタイルが広がってきました。例えばフルートは現代オーケストラのような金属ではなく、木製のフルートです。現在では古楽はクラシックでも人気のある分野です。映像を見ても現代クラシックとは異なる楽器を使用していることがわかると思います。 古楽といっても古臭いイメージではありません。丹念に当時の歴史的背景や作曲家の研究を進める中で、作曲者の意図になるべく近い形で演奏しようというものです。 一つひとつの楽器の音が生き生きとして素晴らしいハーモニーです。特に低音部分の響きは鳥肌もの。 オーディオでいうならJBLのフルセットスピーカーではなく、小粒のハイスピードスピーカーで聴くような感じです。 ジュピターは第1楽章などこんなにゆっくりした演奏で良いのかと最初は思いましたが、とにかく出てくる音がハイスピードでシャープ。パワフルな第4楽章へ向かって一直線に進んでいきます。いま最も最先端のクラシック音楽がここにあります。

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今年は中東が騒がしかったのでWest-Eastern Divan Orchestraの第九を聴いて来年の平和を祈った。

2015年はいろいろありましたが、今年印象に残っているのはイスラム国とシリア難民でした。そこで今年はバレンボイム主催のWest-Eastern Divan Orchestraによる第九を聴きました。演奏はPRMOSでのものです。 West-Eastern Divan Orchestraは中東平和実現を望むバレンボイムとパレスチナ系文学者のエドワード・サイードによって設立されたオーケストラで、イスラエル、シリア、レバノン、ヨルダンなど対立する国々のメンバーから構成されるオーケストラです。未だ中東平和は実現されておらず、バレンボイムも年をとったなという印象ですが、その分自分も年をとったわけです。 もともと年の瀬に第九を聴くというのは日本人が始めたらしいのですが、今では海外でも年末に第九を聴くようになっているようです。 忙しい年の瀬に約1時間半、来年に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

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山田一雄のモーツアルト・ジュピター。圧巻の指揮なのは言うまでもないけど、目を閉じて耳をすませば非常に美しい完璧な演奏だということを実感。

亡くなる1年前、1990年のサントリーホール。 晩年とは思えないパワフルな演奏。 この指揮演奏を聴くと天馬に乗った山田先生が宇宙を駆け抜けているような気がします。 YouTubeのコメント欄はほぼ全て欧米圏からのもので埋め尽くされています。 the greatest coda ever for me これまでで最高のコーダ。 This movement always makes me wanna cry… このムーヴメントを聴くといつも涙が出そうになるよ。 VERY GOOD !! THE PERFECT SPEED! NICE AND SMOOTH.. unlike others that sound so choppy.. this one i like. とても良い!!完璧な速度。美しくなめらか…他の指揮者の演奏だとムラがあるように聴こえる。 Conductor is the best part of this video, you can watch him without music 🙂 指揮者がこのビデオのハイライト。音楽なしで観ても最高:) こちらは若き日の山田一雄先生の千人の交響曲初演。(6:46〜) こういう爺さんになりたいものです。

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ティーレマンのベートーベン。なんか変な人だという違和感が最後には大感動。

もう最初から変な人です。 ベートーベンの第5交響曲といえば最初のダダダダーンが一番の聴かせ場なのに、ピョンピョンと跳ねるように舞台に上がったかと思うと、観客の拍手が終わらないうちに曲が始まってしまいます。 明らかに観客の期待するベートーベンではなくて、聴者の期待とずれたまま、どんどん曲が進んでいってしまいます。 第4楽章などはもうオケがついてくるのがやっとの早弾きで、大丈夫かと観ている方がハラハラしますが、最後には大感動。 Wikiで調べたらカルロス・クライバーの代役もやった人なんですね。ドイツ正統派指揮者のアブノーマルなパフォーマンスでした。

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