有島武郎「生まれいずる悩み」を数十年ぶりに読了。

中学1年か2年の頃に読んだきりなので数十年ぶりに読みました。

「君」が「私」の元を訪ねてきてスケッチブックを置くシーンは、長い間、何の小説だったか忘れていました。極寒の北海道の冬にムンムンとするような若者の湯気を感じたことを記憶の底に覚えていただけですが、今回、この小説だったかと思い出されました。

過去よりも将来が短い状況に置かれると、若い頃の将来に対する悩みや苦悩はほろ苦い思い出になってしまうのですが、今となれば思い悩む君に北海道で漁師をやりながら絵を描き続けることを暗に進めた「私」の思いに納得がいきます。おそらく「君」は東京に出ていたならモノにはならなかったと思いますが、北海道で漁師を続けたからこそモノになったのです。

この小説にはモデルが存在しており、おそらく小説のシーンに似たやり取りが「君」と有島の間にあったのだと思われます。

 

 

 

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