フランシス・フクヤマ「敗北への準備」

今回のウクライナ戦争の将来について、「歴史の終わり」の著者であるフランシス・フクヤマが「敗北への準備」というタイトルで論文を発表しています。

AMERICAN PURPOSEへの寄稿

https://www.americanpurpose.com/articles/preparing-for-defeat/

原文も非常に短いシンプルなものですが、さらに短く要約して翻訳しました。記事は3月10日時点のものです。太文字は私自身がつけました。

  1. ロシアはウクライナで完全な敗北に向かっている。
  2. ロシアの敗北は長期的な消耗戦ではなく突発的で壊滅的なものになる可能性がある。
  3. 外交的な解決はなく、ロシア、ウクライナ双方に受け入れられる妥協点はない。
  4. 国連安全保障理事会は役に立たないことが再び明らかになった。
  5. バイデン政権が飛行禁止区域やポーランドのミグで支援をしなかったのは賢明な選択であった。ウクライナ自身がロシアに勝つことが必要であり、そのための各種支援は効果をあげている。
  6. ウクライナの負担は甚大であるが、彼らの最大の打撃は航空戦ではなくロケット砲と砲兵によるものである。虐殺を停止する唯一の方法は地上戦でロシアに勝つことである。
  7. 軍隊の敗北によりプーチンは生き残ることができなくなる
  8. この侵攻は世界中のポピュリスト政治家に対しても大きなダメージとなっている。
  9. 現時点までの戦況は中国に対しても良い教訓となった。彼らが台湾侵攻を行うための十分な知識と経験がないことを認識させた。
  10. 台湾自体が、ウクライナ人が行ったように戦う準備をする必要性について目覚め、徴兵制を回復するであろう。
  11. トルコのドローンはベストセラーになるだろう。
  12. ロシアの敗北は「自由主義の新たな誕生」を可能にするだろう。

Fukuyama: Putin Is Raising The Stakes To Justify The ‘Unjustifiable’

MSNBCでのインタビューで3月17日時点のものです。

まとめ

寄稿記事、インタビューともに将来への希望が持てるものだと思います。ベルリンの壁崩壊後、世界は再び自由主義国家と専制主義国家が対立する構図となってきましたが、この戦争が歴史の大きな転換点になる可能性があることを感じます。

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