ベトナム・サイゴンのアパート探し（１）〜今月末で出ていってくれ！

今月末で出て行ってくれ！

先月末、家賃を大家に支払った際、今月末でいま住んでいる部屋を出て行ってくれと言われました。その瞬間「とうとう来たか」と思いましたが、ベトナムでは大家の権利が圧倒的に強いため、出て行ってくれと言われれば出ていかざるを得ません。退去の理由は娘がもうすぐ大学を卒業するのでいま住んでいる部屋に住まわせたいということでした。現在の大家とはこの娘が中学生の頃からの付き合いで、7年近くも住んで来たのです。

せめて２、３ヶ月前に言ってくれれば落ち着いて部屋探しもできるのですが、忙しい年度末にも関わらず急遽家探しに追われることになりました。

しかしちょうど断捨離をやらなければならないと思っていたので良い機会だと前向きに考えることにしました。

ベトナムでの賃貸の選択肢

ベトナムで賃貸を借りるにはいくつかのパターンがあります。

下宿スタイル

これは大家が所有する１戸建ての一部屋を借りるスタイルです。キッチン、バス、トイレは共有になる場合が多く、１軒に４−５人が住むケースが多いようです。サイゴンで有名なのは18 Nguyen thi minh khaiのヘムにある物件で、ここには初めてベトナムに来た日本人や学生さんが借りるケースが多いようです。

メリット

必要最低限の家具が装備されているので、鞄ひとつで入居できます。場所によっては部屋の掃除も大家がやってくれる場合があります。電気やインターネット水道などの公共料金も家賃に含まれていたり、大家が代行して支払ってくれるので、住むだけなら気軽です。

デメリット

夜は早めに入口が閉まったり、同居する人に気を使うことがあります。入居者同士や大家との人間関係が悪くなったりすると居心地が悪くなる場合があります。

価格帯

$250〜$400

サービスアパート

サービスアパートはホテル並のサービスとプライバシーが確保されたアパートです。部屋数も2ベッドルームや3ベッドルームあり、家族で住むには十分な広さです。ワンベッドルームの単身者向きのものもありますが、1,000ドル前後〜4、5,000ドルのものまで当然高価格となります。

メリット

予算に制限がなければサービスアパートは最も快適な賃貸です。部屋のクリーニングからベッドメーキング、買い物をした荷物の部屋への持ち上げなど、ホテル並みのサービスを受けることができます。もちろんセキュリティも万全でプライバシーも確保できます。

デメリット

それなりの出費を覚悟しなければなりません。物価の安いベトナムで済むのにこの値段の家賃を支払い続けるのは、会社の経費とかでないと無理でしょう。個人の収入で支払うのであれば他にもっと良いお金の使い道があると思います。

価格帯

$1500〜$4000

高級アパート

最近、ビンタン区、2区、7区など比較的中心部に近い地区ではVinhホームズのように、新築の高層アパートが増えてきて、賃貸に出されることが増えてきました。築年数も新築だったり古くても４−５年なので快適です。サービスつきのものもあれば、賃貸のみのものもあります。

メリット

設備が新しく快適に過ごすことができる。プライバシーも確保されてセキュリティも万全です。

デメリット

日本と変わらない家賃

価格帯

サービスアパートより同程度または若干安い。

一棟借り

ベトナムの家屋は京都の町家のように間口が狭くて奥行きが深い建物が多く、だいたい３，４階建てのものが多いのですが、このような建物を一棟借りする方法です。

メリット

一棟借りなのでかなりの自由度があります。きちんと家賃さえ払っておけばリノベーションすることも可能です。職住一体型の場合は選択肢の一つかと思います。

デメリット

外国人がひとりで一棟に住むのは危険です。私ははじめてベトナムに来たとき、職住一体で一棟借りをしましたが、１年の滞在期間中に3回も盗難に会いました。一棟借りするときにはガードマンの採用も不可欠なので結果的に高くついてしまいます。

価格帯

$700〜$2000

Chung Cu（ローカルアパート）

最後に紹介するのがベトナム人が住むローカルアパートのChungCu（チュンクー）です。日本で言えば公団アパートのようなもので、ある程度の広さとプライバシーが確保できますが、いきなりここに住むのはハードルが高いと思います。

メリット

外国人向けのアパートより低価格で住むことができ、ある程度のプライバシーも確保できます。

デメリット

チュンクーの多くは築年数が古く、外国人が住むには抵抗があるようなものがほとんどです。

価格帯

$250〜$500

物件探し

急遽、出ていってくれと言われて急ぎ物件探しを始めましたが、私の狙いは値段が安くて広めのチュンクーです。

不動産探しは日系の不動産会社に頼むのが最も簡単な方法ですが、私のように低予算の顧客はあまり相手にはしてもらえません。また日系不動産会社はローカル情報にうといところが多く、ベトナム語の情報をもとに自力で探すしかありません。

チュンクーに7年近く住んでみて感じたのは、値段が安いこと、普段住むにはドアを閉めていればプライバシーが確保できること、街中にあって便利が良いこと、インターネットや電気は一般的なベトナムのオフィスやアパートと同様であること、どこもセキュリティがしっかりしていることなどがメリットです。反面、建物・設備が古いので、エレベーターがよく止まったり、エレベーターが有料（住民は月極め）、手を入れないととても住めるレベルではないことなどがデメリットです。

まずはネットで空いている物件を探して、実際に訪ねてみることにしました。

条件はサイゴンの1区または3区で、40平米前後、予算は$350〜$400です。1区でまともなアパートは$500前後が最低ラインなので、この条件ではかなり古い物件か条件があまり良くないものが対象となります。

batdongsan.com.vn

https://batdongsan.com.vn/

こちらのサイトは売買、賃貸ともに扱っており、ベトナム全土が対象と質量ともに最大規模のサイトです。新しい物件も毎日更新されているので情報収集には最適です。ベトナム語オンリーです。

Chung Cu Saigon

こちらのサイトはホーチミンのアパートを専門に扱っているサイトです。ベトナム人向けに低価格でファミリー・単身者向けの賃貸物件が多く扱われています。

物件探しのポイント

サイトで狙いをつけたらすぐに連絡をして物件を見に行きます。日本と同じで、条件の良い物件は一瞬でなくなってしまいます。数時間が勝負なので、これはという物件があればすぐにアポをとって見に行きます。

またネットに載っていない情報も重要です。現地に行けば、近所の人やガードマンや管理人をつかまえて空き物件がないか聞いてみます。実際にネットに載っている物件よりも良い条件のものがみつかる場合がありますし、逆にネットでは良いと思っていたものが実際に訪問してみると思ったほどではない場合があります。とにかく数をこなして足で稼ぐしかありません。今回は、スタッフさんが一緒についてきてくれて本当に助かりました。

今回、対象になったエリアと物件は以下の通りです。かなりの物件を訪ねてみましたが、却下が7割、まあまあが2割、ここなら住めそうだというものが1割程度。気に入った物件を見つけるには最低10数カ所は訪ねてみることが必要です。

つづく

次回のブログでは実際に訪ねた物件を紹介したいと思います。時間がない中での物件探しなのでベストの物件ではありませんが、自分なりに気に入ったものもいくつかありましたのでご紹介したいと思います。