人工知能が普及すると情報のブラックボックス化がますます増加する

最近、GoogleのDeep MindやIBMのWatsonなど人工知能機械学習ディープラーニングなどが話題になっていて、あと5年で無くなる職業なんていうのが話題に上ったりしていますが、自分が今一番欲しいのは経営を肩代わりしてくれる人工知能で、コンピュータが自分の代わりに会社を運営してくれれば今の仕事もずいぶん楽になるのにと思ったりしています。

現在、すでにロボットアームが様々な商品をうまくつかみ上げる人工知能や、サーキットの中をいかに速く走るかを経験的に学習する人工知能などの実験が成功しているようです。これらはコンピュータに膨大な量のデータを与え、試行錯誤を繰り返しながら最適解を学習していくシステムで、コンピュータは人間の試行錯誤では到底追いつかないような速さで最適解を学習してしまいます。

おそらく、こうなってくるともっとも実現の可能性が早そうなのが汎用調理ロボットで、カメラ付きのロボットアームが数本あれば、最も多くの人々が美味いという味付けを統計学的に学習し、調理ができるロボットが誕生するに違いありません。そうすると人間に料理を教える必要は一切なくなり、サーバーからネットワークを介してから全世界中のロボットにレシピが配信されるということが可能になるに違いありません。イメージとしては3Dプリンターみたいなもので、レシピをネットワークからダウンロードしてプロの調理師以上の味を出すことができるロボットです。そうすれば材料を余らせたり、焼き過ぎや煮過ぎもありませんし、海外にいても日本と同じクオリティの和食が楽しめる訳です。個人的には早ければ5年、遅くとも10年以内には調理ロボットは実現化されていて、FANUCか安川電機あたりから発売されていることを期待します。

先日、NHKスペシャルで「AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン 」というマツコデラックスがMCをしている番組がありましたが、「40代の独身者が増えると日本は危機に陥る」という結論がAIによって導かれていました。まるで風が吹けば桶屋が儲かるのような話ですが、一見無関係に見える事象であってもAIを使えばその関係性を見つけ出すことができるというものでした。ただしなぜそうなるのかという因果関係は提示されていないため、なぜだかわからないがそうなるのだということのようです。
番組では東大と京大の人工知能の学者が出演していましたが、コメントではなぜそうなるのかは本人にもわからないということでした。つまり人工知能の時代ではいきなり結論が提示され、プロセスはブラックボックス化され、理由や因果関係は示されないということです。

今後、ますますこの傾向は進化して、人間の経験や知識では理解できないが、コンピュータが勝手に答えを出してくる時代が、そう遠くなく実現するに違いありません。NHKの番組ではそれがなぜ起こるのか?を考えるのが人間の役目であると述べていましたが、私はますます自分の頭で考えない人が増えてくるように思います。脳も内臓の一部なので使えば疲れますし、使わないと鍛えられません。今どき四谷から渋谷まで歩いていく人などいないように、考えなくても済むのであれば考えないのが当たり前になるに違いありません。

経験や知識が活かされない時代というがもう間近です。運転が下手なペーパードライバーであっても最も燃費効率が良く、最も速いルートで車が自動運転してくれるでしょうし、料理は単なる趣味になるに違いありません。そういう時代では発想力が試されるのでしょうか?行動力が大事になるのでしょうか?いずれにしても、かつてないほどの変化が訪れることだけは確かであるようです。

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