ずっと撮りたかった1枚の写真。Fall of Saigonの現場。

以前からチャンスがあればVincom Centerの北側オフィスから写真を撮りたいと思っていたのですが、昨日、ようやく夢が叶ってとある会社の受付ホールに入ることができ写真を撮ってきました。

その1枚がこの写真です。

一度現場にも行ってみたいと思っていましたが、写真から見ると4方向に柵が設けられて入れないようになっているようです。

有名なサイゴン陥落の写真

Photo: Hubert Van Es/Bettmann Archive

この場所は有名なサイゴン陥落の写真が撮影された現場です。ビルの屋上に停まるヘリコプターと梯子を伝って避難しようとしている人々の写真は一度は見たことがあるのではないでしょうか。

Photo: Hubert Van Es/Bettmann Archive

同じ撮影者による別カットでは、昇ってくる人に手を差し伸べて助けようとしている人が写っています。

この写真はサイゴン陥落の前日、1975年4月29日に写されたものです。

人によってはこれがアメリカ大使館の屋上だと勘違いしている人もいますが、現在も残るこの古いビルはかつてCIAの拠点であり、避難のためCIAエアアメリカのヘリコプターに乗り込もうとしている人々です。

ちなみにCIAにより設立されたエア・アメリカは南西航空(現在の日本トランスオーシャン航空)の前身であり、当時はラオス・ミャンマー・タイ国境のゴールデントライアングルから麻薬を空輸していたと言われています。(CIAが直接密輸に関わったのではなく、ラオスの高官がエアアメリカを使って麻薬を運搬していたという説もあります)

こちらのCNN動画では脱出時のヘリコプターパイロットのインタビューや陥落の動画が見れます。

撮影者

この決定的な1枚はオランダのフォトジャーナリストフーベルトファンエスによるものです。下記にWikiPediaの翻訳によるプロフィールを載せておきます。

フーベルトファンエスは、1975年4月29日に有名な写真を撮ったオランダの写真家兼フォトジャーナリストでした。これは、南ベトナムの民間人が米国のサイゴン陥落中にCIAエアアメリカのヘリコプターに乗り込もうとしている様子を示しています。写真はサイゴン陥落の前日に撮影されました。

場所

場所はVincom Centerの北側、Ly Tu Trong通りの22番地です。当時の通り名は22 Gia Long通りでした。
50年たって古ぼけたビルになってしまった今でも、都心の一等地に残っていて現役として使われています。

漫画化もされている

Fall of Saigonの写真は数々の戯画化もされており、昨年の米軍のアフガニスタン撤退の時も使われていました。NBCのサイトではFall of Saigonの戯画だけを集めたページもありました。

https://www.nbcnews.com/news/world/fall-saigon-cartoons-flna743318

歴史遺産としてぜひ保存してほしい

以前から取り壊しの噂の絶えないビルですが、なかなかしぶとく残っています。しかしここはホーチミン市内でも中心地であり、古ぼけたビルのまま永久的に残すことは難しいかもしれません。
もし取り壊しが決まったとしても、屋上の建物だけでも残して欲しいと思います。戦争証跡博物館などで歴史遺産として展示をしても良いのではないかと思います。

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