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テスラの10年マスタープラン
テスラのイーロン・マスクがブログでこの先10年間のマスタープラン2を発表しました。10年前の2006年に発表したマスタープラン1はほぼ実現されつつあります。
高額になるのは避けられない、少量生産車を作る
その売上でより低価格な中量生産車を作る
その売上でさらに低価格な大量生産車を作る
そして…
ソーラーエネルギーを提供する。これは冗談ではなく、テスラのウェブサイトに10年前から書かれています。
そして先月発表されたマスタープラン2の骨子は以下のようになっています:
- エネルギー生産と貯蔵を統合する
一人ひとりが自分の電気を作れるようにし、それを世界規模で展開します。- 地上の輸送手段の主な形を網羅するために事業を拡大する
モデル3と次のコンパクトSUV、そして新しいタイプのピックアップ トラックを販売することで消費者市場の大部分をカバーできるようになります。- 自動化
私たちはワールドワイドで自動運転が法的に認められるまでに100億km単位の実績が必要になると予測しています。現在は世界中の車両を合わせて、1日で500万km程の走行実績を積んでいます。- カーシェアリング
完全自動運転が法的に認められれば、どこからでもテスラ車を”サモン”で呼び出しできるようになります。一旦乗り込めば後は目的地に到着するまで眠ったり、本を読んだりすることができます。
自動運転社会が実現するとどう変化するのか?
テスラが提唱する自動運転化&カーシェアリング社会はインターネットの誕生に匹敵する革命を社会の起こすはずです。
ベトナムに暮らしているとよく分かりますが、現在進行中の社会変化は「誰もがインターネットに接続し情報格差がなくなった」ことに起因します。
7年前はまだベトナムでインターネットに接続できるのはごく限られた人々でした。今では地方都市の子供までがiPadを使ってインターネットに接続しています。
これにより地域格差が狭まり、流動化が進み、情報が富を生み出すようになっています。ベトナムはすでに中進国といえますが、発展途上の国々ではこのような社会変化は先進国以上に急速な社会変化を招きます。
テスラの提唱する自動運転化が進むと、人々は情報格差の解消に加えて、移動の自由を手に入れることができるようになります。これは鉄道や高速道路網など社会インフラが発展途上のベトナムのような国では強烈なインパクトとなるはずです。
サイゴンは自動運転に最適の街
サイゴンの街はいまだにバイクが移動手段の中心となっています。バイク移動が経済発展の足かせになっているといっても良いでしょう。
日本のODAでハノイ市内近郊・ホーチミン市内近郊の鉄道網を建設していますが、市内のあらゆる場所に徒歩で行けるほどのネットワークが出来上がるまでにはまだまだ何十年(もしかすると百年以上)の時間が必要です。
ところがテスラの提唱する自動運転とカーシェアリングが実現されるといっきにバイク文化が自動運転文化に置き換わる可能性は大きいと思います。
すでにGrab CarやGrab Bikeのようにスマホを使ったカーシェアリングビジネスは軌道に乗っています。わが社でも市内の小口配達はすべてGrab Bikeに移行済みです。
もしテスラがベトナムに導入されれば、いっきにサイゴンの街は変わるでしょう。現在開発中のトゥーティエム地区(サイゴン川向こうの開発地区)と旧市街地が自動運転車で結ばれるのをイメージするとワクワクします。