もはやモノや豊かさで国力を誇示する時代は終わり。国立博物館が90年代ハノイの優雅な生活を展示>[Photos] National History Museum Celebrates 90s ‘Luxury Items’ From Hanoi – Saigoneer

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情報源: [Photos] National History Museum Celebrates 90s ‘Luxury Items’ From Hanoi – Saigoneer

90年代、海外との交流も少なく物資の乏しいベトナムではこのような商品を所有していることがお金持ちの象徴でした。当時の日本なら普通の家庭にあるものばかりです。

90年代といえばベトナムでは戦後20年、ドイモイが始まってこれから国際化にむけて走り出した時代でした。90年代初頭のベトナムの雰囲気は分かりませんが、ちょうど日本の1950年代の感覚に近かったのではないかと想像します。かつて国連職員として(そしておそらく諜報員として)90年代のホーチミン市に駐在していたアメリカ人と半日ほどご一緒しましたが、当時のホーチミン市は戦前(1975年)にも増して貧しくて、ドンコイのあたりは物乞いで溢れていたそうです。わたしの経験でも5,6年前はドンコイ通りには花を売る少女がいました。

ひるがえって2016年、日本の家庭にあるものはほぼベトナム人も持っています。最新版の一眼レフカメラから大型液晶テレビ、iPhoneまで、モノによる格差はほぼなくなってきました。スマートフォンはひとりに1台の普及率です。もちろんこれはホーチミンやハノイのような都会に限った話で、ベトナムでも地方に行けばまだまだ格差が大きいのが現実です。

私の印象では、お金持ちに限って言えば日本とベトナムの間の格差よりも、ベトナム国内の格差の方が大きいように思います。このことは日本とベトナムの関係にも大きく影響していると思います。もはやモノや豊かさで国力を誇示する時代は終わりです。先進国と発展途上国的な関係はもはやベトナムには当てはまりません。

 

 

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