カッティエン国立公園2泊3日ソロキャンプレポート

1日目(ホーチミン市内→カッティン国立公園)

Bến xe Miền Đông Cổng 2からローカルバスでカッティエン国立公園へ

カッティエン国立公園はホーチミン市からダラットに向かう国道20号線、ラムドン省との省境に近い場所にある国立公園です。ラムサール条約で保護された湿原や手つかずの熱帯雨林があることで有名な場所ですが、正直、ホーチミン市からのアクセスはあまり良くありません。

カッティエン国立公園に行くには

  1. ベンセーミエンタイ・バスターミナルから直通バスに乗っていく。
  2. ダラット行きのバス(本数は頻繁にあります)に乗ってカッティエン国立公園の分岐点で降ろしてもらい、そこからセオムで行く。分岐点から国立公園までの距離は18km、セオムは150,000〜200,000ドン。

のいずれかとなります。もちろん予算に制限がなければタクシーをチャーターすることも可能です。

私が選択したのはベンセーミエンタイからカッティエン直通のバスです。バスターミナルに到着したのは午前6時30分、バスが発車したのは正確な時間を記録しなかったので申し訳ありませんが、7時30分ごろでした。バスカウンターの⑤に行き、カッティエンといえばすぐにチケットを購入することができました。チケット代は85,000 ドンです。

今回乗ったバスは一番右のKim Hoanという会社のものでした。途中で一回休憩が入りますが、ベトナムの路線バスにありがちな、途中での荷物のピックアップや、カッティンに近づいてからの頻繁な降車と荷下ろしで、カッティエン近辺には正午過ぎについていたのに、私が公園入り口にたどり着いたのは午後1時を回っていました。こんなことなら、途中下車して歩いて公園入り口まで行った方が早かったです。

受付からテント設営まで

カッティエン国立公園はドンナイ川を渡った向こう岸にありますが、手前の受付で入場料を支払います。私の場合、

入園料 60,000 VND
テント2泊(テントは自前) 100,000 VND
デポジット(後で返ってきます) 500,000 VND

合計660,000VNDをここで支払いました。またパスポートの提出も求められますので、キャンプ泊だと油断しないでパスポートは持参しましょう。

ボートは15分に1回程度往復しています。ボート移動は国立公園の使用料に含まれているようで、都度、料金を支払う必要はありません。

それにしてもホーチミン市から見るドンナイ川は大型貨物船が行き交う大河ですが、ここまで来るとかなり川幅が狭くなっています。

キャンプ地は比較的整備されています。落ち葉が多いですが全面芝生になっており、テーブルや椅子も設られています。また芝生の上では焚き火は禁止ですが、焚き火専用のエリアも設けられています。

この日(金曜日)は広大なキャンプエリアを独り占めでした。あまりにも閑散としすぎていて、ノイジーなサイゴンの街からやってきた身としては静かすぎ、周囲には人っこひとりいないので、恐ろしいくらいです。

しかしこの日はカッティエンで働く家族の子供たちとその父兄が、夕方からキャンプエリアにバーベキューに来て賑やかになったので、ソロキャンプの寂しさを紛らわすことができました。

公園内を散策

テントの設営を完了後、公園内を散策しました。主要なエリアは舗装されていて歩きやすく、起伏もほとんどありません。

こういう立派な大木とか

こういう面白い形をしたつる性の樹木などが生い茂っていますが、あまり植物に詳しくないのでただ写真を撮るだけでした。

ただ散歩するだけで、ほとんど人に会うこともなく、少し空恐ろしい感じもしますが、やがて平和な空気にも慣れてきて落ち着いた気分になれました。

騒々しいサイゴンの街に慣れすぎていたのかもしれません。

ナイトツアーに参加

日も暮れた午後6時半からは、ナイトツアーに参加。トラックの荷台に乗り、ガイドさんがサーチライトで動物を探して見せてくれます。

さほど期待して参加した訳ではありませんが、1時間のツアーで10回ほど主に鹿に遭遇しました。

長袖シャツを着てはいましたが、移動する車の風が冷たいので、長袖ジャケットのほうが快適だと思います。

午後8時にテント場に戻り、夕食の準備。ソロキャンプなので、食パン、ピーナッツバター、きゅうり、コーヒーの簡単な夕食で済ませました。ファミリーやグループで来るなら、焚き火場もあるので豪勢に行けると思いますが、今回は軽量化優先のため、質素な食糧事情です。

ちなみにテント場から200メートルほど行くと、レストランもあるのでそこを利用しても良いかもしれません。

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食事も終われば、焚き火を焚いて星空を見ることくらいしかやることはありません。日本では比較的低い位置にあるオリオン座が、ベトナムでは天頂に近い位置にあって、やはりここは外国なのだと意識しました。

2日目(クロコダイルレイクへ)

午前6時に起床。今日はキャンプ場から約14km離れた場所にあるクロコダイルレイクを目指します。

公園本部前にあるレンタサイクルで自転車を借りました。1日150,000VNDでさらにデポジット200,000が必要です。

いろんなタイプの自転車が貸し出されていて、子供用のものもありました。

公園内の道路はほぼコンクリートで舗装されていて、アップダウンも少ないので快調です。

ただし、目印や看板がほとんどなく、公園で配布している地図もかなりアバウトなので、自分が現在どこにいるのかが分からず、気分的にはあせります。

1時間ほど、約9kmで立派な看板が立っていて、ここが自転車での目的地です。しかしどこにもクロコダイルレイクとは書いておらず、現場にいた若い男性がさらに奥を指さしてしまったため、さらに進んで行ってしまいました。

こういう奇怪な木が生えていたりもしましたが、この辺りは道路も舗装されておらず、体力もきつくなってきます。

突然、立派な建物が現れて、どうやら公園の管理事務所であるようです。中に入って男性にクロコダイルレイクはどこかと尋ねたら、今来た道を7km戻れとのことです。

つまり先ほどのBau Sauがクロコダイルレイクのようで、どこにも英語での表示はありませんでした。不親切な案内に腹をたてつつ、往復14km、元来た道を戻ることになりました。

Cay Si Tram Than (Hundreds Trunked Ficus)

途中、案内板があったので立ち寄ってみることにしました。

300メートルほど入ったところに、池に数十本の根を持った木が生えていて、よく整備されていました。道を間違えたことのショックも少し癒されました。

やっと本当にクロコダイル・レイクへ

7kmの道のりを戻り、先程通り過ぎたBau Sauの看板のところに自転車をデポしてトレッキング道を歩き始めます。

トレッキング道はよく整備されていて、アップダウンも余りないので距離が稼げますが、ここにも看板類はほぼ皆無なので、本当にこの道で良いのか心配になってきます。

土曜日の朝でしたが、自分以外に出会う人もなく、時々、森の中で何かがガサガサ音をたてるとドキッとします。携帯も通じず、Google Map上にも何の目印もありません。

1時間ほど歩いてようやく人工物が見えてほっとしました。

間もなく建物も見えてきて、ようやく到着しました。

ここまでのトレッキング道は片道5km、往復10kmですが、普通に歩くと片道1時間15分から30分かかると思います。

目の前に広がる湿原。大小たくさんの水鳥が羽を休め、目を凝らすと、水面から頭を出したクロコダイルを見ることもできました。

湖のそばに立つロッジではランチやドリンクもあって、100,000VNDと少々高価ですが、ベトナム料理を食べました。

結局、この日は自転車での往復が32km、トレッキングが10kmの合計42kmを移動しました。途中、売店のようなところもないので、水1リットルと行動食は必須だと思います。

乾季の今だから比較的移動も問題ありませんでしたが、雨季はかなり泥まみれになることを覚悟したほうが良いかもしれません。

3日目(QL20号まで18kmを歩く)

いよいよ最終日。

夜間の気温は20度を下回るので、きちんとシュラフを持って行かないと、朝晩は冷えると思います。

前日、かなり体力を使ったのと、静かな夜で、朝起きたのは4時前でしたが、スッキリと目覚めました。

ゆっくりとコーヒーをわかし、ビスケットときゅうりの簡単な朝食をとって、パッキングを開始。

キャンプ場の近くには清潔なトイレもあって快適です。

午前7時、公園の入り口に立つ料金所に立ち寄って、500,0000VNDのデポジットを返却してもらいました。

ここからは、参考にはならないと思いますが、私は公園から国道20号まで、18キロを歩いて戻るつもりでした。

今回は14キロの荷を背負ってきましたが、この重さでどれくらい歩けるのか試してみたかったからです。

朝のうちは涼しくて快調に距離を伸ばすことができました。私は普段空荷だと1km10分30秒で歩きますが、荷を背負って1km12分、ほぼホーチミン市内を歩くのと同じくらいのスピードでした。

この日は快晴、途中秘密兵器を取り出しました。ドイツ製のトレッキング用雨傘の中国製フェイクですが、雨の中で写真撮影をするために売られているものです。

傘の径が大きく、枝も普通の傘より長いため、バックパックに刺してハンズフリーで歩くことができます。

国道20号線までの道は、舗装も良くて歩きやすい道でしたが、ほとんど日陰がありません。傘をさすことで直射日光と体力の消耗を防ぐことができました。

感動したのは、この18kmのウォーキングの中で、バイクに乗せて行ってくれると声をかけてくれた人が6人もいたことです。昨年から人文社会大学で学びはじめたつたないベトナム語で感謝の意を表しつつ、丁重にお断りしましたが、田舎に行くとベトナム人の親切さが身にしみます。

18kmの道のりを歩き、途中休憩も含めて午前11時にバスターミナルに到着。ここからホーチミン市へはいったんビエンホアの街を経由しますが、無事に夕方までには自宅にたどり着けました。

まとめ

1. カッティエン国立公園はキャンプ場の設備が整っており、快適に過ごすことができる。

2. ホーチミン 市から現地への交通は余り便利ではないが、便をうまくつかまえれば問題ない。

3. 公園内の整備状況はまずまず。英語の看板や案内が少ないので迷う。

4. 3日間で随分体力を使った。合計3kgの減量。

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