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銃音がとどろいた時、私の中の何かが粉砕された。

本書は1964年末から65年初頭にかけて、開高健がサイゴンから「週刊朝日」に毎週送稿したルポルタージュを、帰国した開高自身が大急ぎでまとめて緊急出版したものである。

[ultimate_spacer height=”20″][dt_quote type=”blockquote” font_size=”big” background=”plain”]銃音がとどろいた時、私の中の何かが粉砕された。膝が震え、暑い汗が全身を浸し、むかむかと吐き気がこみ上げた。たっていられなかったので、よろよろと歩いて足をたしかめた。

(中略)

彼は《英雄》にもなれば《殺人鬼》にもなる。それが《戦争》だ。しかし、この広場には、何かしら《絶対の悪》と呼んでよいものがひしめいていた。

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開高はベトコン少年の公開銃殺に立ち会った。20歳の私立高校生で地雷1kgと手榴弾を運搬中に逮捕されたものである。公開処刑が行われたのはベトナム鉄道公社のビル前、ベンタイン市場の左前あたりであった。

[ultimate_spacer height=”20″][dt_quote type=”blockquote” font_size=”big” background=”plain”]サイゴンを陰謀と血だけの都だといいきってしまうのは誤りである。大半の市民は優しく、おだやかに、貧しく、いそがしくはたらいて暮らしている。[/dt_quote][ultimate_spacer height=”20″]

当時すでに開高は小説家として有名であったが、混沌としたベトナムとサイゴンの状況を週刊朝日の記者=ジャーナリストとして日本に伝えた。また作家としてベトナム庶民の中に深く分け入り、愛情を持ってベトナム人と接していた。

[ultimate_spacer height=”20″][dt_quote type=”blockquote” font_size=”big” background=”plain”]「・・・・・ところで」
私が少尉に聞いた。
「グェン・フゥ・トゥは一般民衆の中で評判はいいのですか?」
「グェン・フゥ・トゥ?グェン・フゥ・トゥって、誰です?」
「ベトナムのナンバーワン指導者ですよ。議長です」
「はじめて聞きました。どういうつづりですか?」
「N…g…u…y…e…」
「N…g…u…y…e」
「民族解放戦線の評議会の議長です」
「民族解放戦線?民族解放戦線って何のことです?」
「ベトコンのことです。彼らは自分のことをそう呼んでいます」
「へへえ。それは知らなかったです。民族解放戦線、民族解放戦線・・・・・」
少尉は口の中でひくく、”ナショナル・リベレイション・フロント”、”ナショナル・リベレイション・フロント”とつぶやいた。それはたしかに、はじめてものを知った時に人がする口調であると思われた。トボけているとは思えなかった。
熱心な中学生みたいなチュウ少尉の小さくて黒い、すこしかしげた頭の影を眺めながら私は声が出せないくらい驚いていた。文盲の一兵卒ならいざ知らず、この少尉は砦ではいつも砂袋を積んだ作戦室で地図を相手に仕事をしているのである。隊のなかでは機敏で沈着な、反射の速い、なかなかたのもしい青年将校なのである。それが何年となく毎日毎日たたかいつづけている相手の指導者の名も知らず、つづりも知らず、正しい名称も知らないというのである。秋元キャパと私は思わず暗がりで顔を見合わせた。彼も低く唸ったきり声がでなくなっていた。
この戦争は政府側の負けだ。
ハッキリ、そうきまった。
寝たほうがよさそうだ!・・・・・[/dt_quote][ultimate_spacer height=”20″]

開高がこのルポを伝えたのは1964年末から1965年にかけてのことで、サイゴン陥落まで10年以上も前のことである。

しかし開高はすでにこの時点で南側の負けを予感していた。慧眼と言わざるを得ない。

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映像

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開高健が見た世界 泥沼ベトナムから[dt_gap height=”20″ /]

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Vietnam War: 502nd Battalion 101st Airborne Division at Ben Cat on Dec 9, 1965 US Army[dt_gap height=”20″ /]

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1965年開高がBen Catを訪問した同じ年、12月のBen Cat Airborneの映像

Vietnam War Documentary HD: Setting on Fire Vietnam Buddhist Monk ?

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ゴ・ディン・ジェム政権と仏教徒の敵対がなぜ起こったのか?詳細に報じたドキュメンタリーである。

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